病気で仕事を休んだとき
被保険者が業務外の病気やケガの治療のため、仕事につくことができず、給料等をもらえないときは「傷病手当金」が支給されます。
傷病手当金
※経過措置について
支給期間の通算化は2021年12月31日時点で、支給開始日から起算して1年6ヵ月経過していない傷病手当金(2020年7月2日以降に支給が開始された傷病手当金)に適用されます。この時点において支給開始日から1年6ヵ月経過している場合については、従前の「支給開始日から1年6ヵ月間」の支給期間となります。
被保険者が業務外の病気やケガで仕事を休み給料等がもらえないときには、被保険者と家族の生活を守るために、休業1日につき直近12ヵ月間の標準報酬月額平均額÷30の3分の2相当額が支給されます。これを「傷病手当金」といいます。勤務先から給料等が出ているときも、傷病手当金よりもその額が少ないときは、その差額が傷病手当金として支給されます。
支給の条件
下記の4つの条件すべてに該当しているときに支給されます。
- 病気・ケガ(美容整形手術などは除く)のための療養中(自宅療養でもよい)
- 病気やケガの療養のために今まで行っていた仕事につけない
- 続けて4日以上休んでいる
- ※3日続けて休んだ場合の4日目から支給されます。
- ※初めの3日間は「待期期間」といい、支給されません。
- 給料等をもらえない
- ※給料等をもらっても、その額が傷病手当金より少ないときは差額が支給されます。
傷病手当金と出産手当金を同時に受けられるとき
傷病手当金と出産手当金を同時に受けられるようになったときは、出産手当金の支給が優先されます。ただし、傷病手当金が高くなる場合は出産手当金との差額が支給されます。
障害厚生年金等が受けられるようになったとき
厚生年金保険の障害厚生年金(国民年金の障害基礎年金も含む)が受けられるようになると、傷病手当金は打ち切られます。
また、傷病手当金等を受給中、障害年金(または障害手当金)を遡って受けられることとなった場合は、それまでに支給した傷病手当金は、障害年金(または障害手当金)と差額調整し、または差額調整分を返還していただきます。
受給している場合は請求書に、
- 受給中の年金の年金証書またはこれに準ずる書類の写し
- 受給中の年金の年金額、その支給開始年月を証明する書類
- 受給中の年金の直近の額を証明する書類
のいずれかを添付してください。
なお、老齢厚生年金を受けている場合は、退職後の傷病手当金の継続給付は支給されません。
ただし、いずれの場合も年金等の支給額が傷病手当金の額よりも少ないときは、その額が支給されます。
就業していなくても給料の全額又はその一部を受けられる場合
傷病手当金等の支給を停止又は傷病手当金等と差額調整されます。
同一疾病での再請求
過去に傷病手当金等の受給があった人から再度同一疾病(または因果関係のある疾病)で請求があった場合は、過去に受給していた傷病手当金等の支給開始日から支給期間を計算します。
ただし、社会通念上治癒※と認められ、その後再発した場合に限り、別個の疾病とみなし支給期間も新しく計算されることとなります。
- ※社会的治癒とは、「自覚的にも他覚的にも異常を認めず医療を加える必要がない状態かつ、相当期間健康人と同様の労務に服し得た場合」となります。
治癒の認定の際は、前症の受給中止時の所見その後の症状経過、復職していた期間や就業状況等調査の上認定することとなります。
退職後の方は(傷病手当金継続給付)
退職者、任意継続者の方への傷病手当金等は支給されません。ただし、継続給付の要件を満たす方については退職後も、引き続き労務に服することができなかった期間傷病手当金のみ支給されます。
傷病手当金継続給付の支給条件
- 被保険者期間を1年以上有している。
- 資格喪失日の前日(=退職日)に傷病手当金の支給を受けているか又は受けられる状態※にあった。
- ※受けられる状態=資格喪失日の前日が、連続した待期期間の後さらに1日以上労務に服することができなかった状態(労務に服することができなかった期間は公休日・有給日含む)
- を指します。
支給額と支給期間
在職中の傷病手当金支給開始日から支給期間を通算して1年6ヵ月を限度として、退職後も引き続き労務に服することができなかった期間、支給します。
※経過措置について
支給期間の通算化は2021年12月31日時点で、支給開始日から起算して1年6ヵ月経過していない傷病手当金(2020年7月2日以降に支給が開始された傷病手当金)に適用されます。この時点において支給開始日から1年6ヵ月経過している場合については、従前の「支給開始日から1年6ヵ月間」の支給期間となります。
- ※退職後に労務可能となった場合、退職後の継続給付は終了します。治癒しているか否かを問わず、同一の疾病等により再び労務不能となっても支給期間の通算化はされません。
退職後の傷病手当金における注意
退職後に老齢年金等を受給できる場合、障害年金(または障害手当金)を受給できる場合と同様に、傷病手当金と差額調整します。対象となる『老齢年金等』は、老齢年金、退職共済年金等の公的年金です。
受給している場合は請求書に、
- 受給中の年金の年金証書またはこれに準ずる書類の写し
- 受給中の年金の年金額、その支給開始年月を証明する書類
- 受給中の年金の直近の額を証明する書類
のいずれかを添付してください。
被保険者の方の休業保障ですので、傷病手当金を受けている方は被扶養者になることはできません。
業務上の事故が原因のときは
業務上あるいは通勤途中の事故などが原因のときは、健康保険ではなく労災保険の適用となります。会社の担当部署へ報告してください。
保険証に名前が記載されている家族の方がパート・アルバイト先で病気やケガをした場合も同様です。
もし保険証を使って治療を受けた場合には、労災保険に切り替えることになりますので、ただちに当組合へご連絡ください。
(労災保険について詳しくは、所轄の労働基準監督署へ)